古代ローマ・ギリシアの仕事まとめ~宗教関係&世俗的な職業~
前回の記事の続きです。今回は、宗教関係&世俗的な職業編です!では、いってみましょう!前回の記事はこちら↓
ヴィッキー・レオン著、本村凌二日本語版監修『図説古代仕事大全』原書房を参考にましてまとめてあります。詳しくは、上記の本を読んでくださいね!
宗教関係の職業
★降霊術師(プシュコポムプス)
・古代ギリシア人は神秘的な出来事があると不安におののき、専門家に助けを求めた。
・迷える魂を安らかな眠りにつかせるのも仕事。
★夢治療師
・アスクレピオスを祀った神殿に仕える、医学の知識を持った神官。アスクレピオスはギリシアの医神で、慢性病や原因不明の病気に苦しむ人々の最後の拠り所になっていた。
・夢治療を行う神官は、神殿にやってきた病人のかたわらに座り、夢にアスクレピオスが出てくるように準備した。大抵、病人は鮮明な夢を見た。朝、神官は病人から夢の内容を聞いて、書き留めた。夢の中で治療法まで教えられる病人までいた。
・アスクレピオスの神殿は、いずれものどかで緑豊かな場所にあった。また、アスクレピオスはしばしば蛇の姿で夢に現れた。
・アスクレピオスの神殿は、浴場など健康設備がととのった静養所であった。神官たちは音楽や詩に治癒力があると考え、都市の神殿には素晴らしい野外劇場が併設されていた。
★御守り屋
・どんなに楽天的なローマ人、ギリシア人も常に御守りを身に付け、魔除けを持ち歩き、男根像(ファスキヌム)をなでまわした。子どもたちは幼い頃から男根像を首から下げていた。
・御守り屋は薬草医を副業として儲けていた。ギリシア人やプラシボ(薬として投与される有効成分の少ない偽薬)を考え出したローマ人は、精神と身体が相関しあっていることをわかっていた。そのため、御守りは薬と同じ程度に効果があると信じていた。この時代の薬の材料には牛馬の糞など人体に有害なものが使われることが多かった。
★ト占官
・当時の人々は、神々はその意を伝えるのに何かしらのしるしを示すというのが彼らの考えであった。例えば、くしゃみなどだ。占っている最中に誰かがくしゃみをすれば、戦いは大抵延期された。
世俗的な職業
★娼婦
・街娼よりも少しランクが上で料金も高く、性行が任意の娼婦は「笛吹女」。踊り子、楽師として訓練を積み、シルクをでつくった薄物をまとった女たちは、宴席で芸を披露し、性行に応じ、またはそのどちらかをして金をもらった。
・娼婦の多くはアフロディテ神殿の巫女でもあった。彼女たちの祭りは盛大なものだった。
★男娼
・古代ギリシアの男色傾向のある貴族は、美しい少年を求めた。美しいといのは、肩幅が広く、腰はほっそりとして、筋肉の付き具合が申し分なく、尻が突き出しているという意味。すっと整った鼻筋、厚めの下唇、ふさふさとした髪も求められた。また、性器が可憐であることも重要。
・男娼の大半は十八歳以下。彼らは自分の身体を短期間売ったことにより、その後市民としての権利を失った。男色自体が罪に問われたためである。
・古代ローマでは、男娼の地位はギリシアに比べて高く、料金も高かった。